飛騨御坊・高山別院照蓮寺・真宗大谷派 岐阜高山教区 高山教務支所

ひだ御坊一口法話

2022年8月5日

三島 多聞 (高山別院輪番)

第82話 仏華

仏様にお花をお飾りしますが、5つの花は使用しません。

  • トゲのあるもの
  • 臭いもの
  • 毒あるもの
  • つるのもの
  • 造花

1、2、3は「いのち」を傷つけるなという教えです。日常の言葉で言えば、トゲのある言葉です。トゲある言葉にこころ刺されて、生きていけなくなることも起きてくる。こうなれば殺人です。同じように「臭いもの」も「毒」も同じことが言えます。不使用の花を注意することで仏華をいけるたびに意識せよということです。

「つるのもの」を使用しないのは、主体的に生きることを教えている。金銭や地位や健康をはずすと、うろたえて倒れてしまう。どうあることが独立者なのか、そこを問うている。

「造花」は使わない。活きていないからです。また、枯れないからです。仏壇(お内仏)の花瓶は小さいものです。夏場などすぐに水枯れしてしまいます。つねに気配りして水を差さないと、花のいのちは枯れる。人間も同じこと。お互いが、気配りしないとすぐ孤独枯れし、生きる気力を失ってしまう。

花瓶に水を差しても、花のいのちは、時が来れば枯れる。人間も同じこと。活きた花で、いのち無常を学ぶ。造花ではいのち無常は伝わらない。

生花が枯れるのも教えです。だから、「いのちある」ことを大切に生きよの教えです。

仏華は5つのものを使わないことで、花活ける人にも花見る人にも「いのち」の大切さを教えている。仏壇に花ある家は、人を活かす家となる。

お盆がくる。仏壇にもお墓にも仏華を飾り、今ある「いのち」に合掌しよう。

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