飛騨御坊・高山別院照蓮寺・真宗大谷派 岐阜高山教区 高山教務支所

ひだ御坊一口法話

2021年7月26日

細川宗徳 (蓮乗寺)

第30話 気象予報士になろうか

「お坊さんの学校」を卒業していません。それゆえ私に仏教を尋ねる人はまれです。

よく受ける質問は「梅雨はいつ明けます?」「今年の夏も暑いですか?」。

気象に関するものが大半です。ごめんなさい。

お坊さんの資格はあっても、気象予報士のそれは持ち合わせていません。

ならば誰かの役に立てるよう、私も天気の勉強をはじめようかな。

NHK朝ドラの「モネちゃん」と一緒に。

 

次いで多いのは「夜の街に出かけますか?」。ネオン街へ足しげく通う、先輩のお坊さんがいます。

布教だそうです。それも女性対象、時に軽く手を握ったりしながら……。

こちらが一方的に話すのではなく、語り合いを大切にしているとのこと。

座談こそ本願寺八代・蓮如上人の精神です。お布施をいただくどころか、

逆にお金を支払うのですから、その熱意に頭が下がります。

私にそこまでの使命感はありません。ですから街へは、あまり出かけません。

そもそもお酒が苦手。忌明の法要で呑みすぎて気を失い、救急車で運ばれたことも。

以来、痛風持ちながらお酒の練習をしています。

いつかは先輩のようになれることを夢見て。

 

 お釈迦さまの生誕を祝う仏事といえば「花まつり」。

甘茶を思い浮かべる人も多いのでは。

「釈迦さまの像(誕生仏)になぜ甘茶なの、優勝の時のようにビールをかけたら?」。

次のように答えてきました。「この時のお釈迦さまは未成年。二十歳まではノンアルコール」。

仏教徒に伝わる説話があります。お釈迦さまが生まれた時に、龍が甘い雨を降らせたとのこと。

まんじゅうやケーキ等、甘いものは人を幸せにします。

雨は誰・彼の区別なく、平等に降り注ぎます。ですから甘い雨をもって、

老いも若きも「幸せ」にする仏法を表しているのだと。

それゆえ甘茶は花まつりに欠かせないのですね。

 あまちゃん、ではなくモネちゃん。

甘い雨のエピソード、気象予報士を目指すなら、これは必須ですよ。

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